研究紹介

Laboratory introduction

建物における吸放湿・結露性状と熱・湿気物性値に関する研究

建物内の熱と水分の移動現象に関わる諸問題ついて研究を行います。

居住者が快適に過ごすために室内を適切な温度に保つことが重要ですが、湿度の調節も必要です。湿度が高すぎると結露・カビといった問題が生じ、状況によっては建物に対してダメージが及びます。また、湿度が低すぎると乾燥による不快感の発生や、皮膚や眼や気道などのトラブルに繋がると考えられます。静電気も生じやすくなります。

熱・湿気に関する問題の実態を把握するために、住宅、高齢者施設、オフィスなどで、温湿度や換気性状の測定(現地での実測)を行っています。また、室内で発生している現象を明らかにするために、熱水分同時移動方程式を用いた室内温湿度、吸放湿性状の数値解析(シミュレーション)を行っています。さらに、数値解析を行う際に不可欠な熱・湿気物性値についての基礎的研究にも取り組んでいます。

基礎方程式の検討と熱湿気物性値の測定

建築材料内部での熱・水分の移動を解く熱水分同時移動方程式の妥当性の検討を行います。また、熱水分同時移動方程式を用いる際に必要となる物性値(平衡含水率、湿気伝導率、水分拡散係数、など)の測定を行います。

物性値測定の例

建物内の温湿度調査と解析

住宅・オフィス等での実測調査や熱水分同時移動方程式に基づく数値解析により、建物内の温湿度環境の改善や設計法の提案を行います。

室内温湿度の実測値と計算値の比較(住宅の寝室の例、1月下旬から2月上旬にかけての10日間)

高齢者施設の調査例


本研究はJSPS科研費JP25289195の助成を受けたものです。

ページのトップへ