研究内容

物性物理学で取り扱う重要な現象として「磁性」と「超伝導」があげられます。どちらの現象も長年にわたって研究が行われ、その発現機構が明らかにされるとともに、磁性体であればモーターや記録素子等の材料として、超伝導体であればMRI(磁気共鳴画像診断装置)等の強磁場マグネットとして、今日では応用面でも不可欠なものとなっています。

その一方で、どちらの現象にも未解明な問題が少なからず残されています。本来、強い磁性を示す物質は超伝導を示さないと考えられて来ましたが、最近、この常識をくつがえす物質が次々と発見され、磁性と超伝導は密接に関連していることが明らかになって来ました。このような面白い現象を示す物質はそれほど多くは発見されていないため、より多くの物質について研究を行い、現象の類似性と多様性を明らかにすることが重要です。そこで私達の研究室では、未解明問題に取り組む手段として、「新物質探索」を行っています。希土類や遷移金属を含む新しい物質の結晶を様々な手法によって作製し、電気抵抗、磁化、比熱、ドハース・ファン・アルフェン効果等の測定を行うことで、その物質の性質を調べています。そして、これまでに知られていなかった新しい特徴を持つ磁性体や超伝導体を見つけることを目指して、日々研究に取り組んでいます。