研究紹介

小惑星の大きさ分布に関する観測的研究

 ハワイ・マウナケア山頂には、口径 8.2 m の巨大望遠鏡、すばる望遠鏡があります。
すばる望遠鏡は多数の観測装置を持っていますが、私たちの研究グループでは、「Hyper Suprime-Cam (HSC)」という、広視野のデジタルカメラを用いて、小惑星の観測を行い、小惑星の色や大きさから その形成・進化過程を探ろうとしています。

ガリレオ衛星の形成材料は、どのように木星系に供給されたのか

 木星は、4つの代表的な衛星を持っています。ガリレオ衛星です。木星は、非常に多くの衛星を持っていますが、4つのガリレオ衛星は、  ①他の衛星と比べて質量がとても大きい、②木星の赤道面近くをほぼ円軌道で公転している(軌道離心率・軌道傾斜角が小さい)という特徴をもっており、他の衛星とは形成過程が異なると考えられています。
 これらの特徴から、ガリレオ衛星は、木星のまわりのガス円盤(周惑星円盤)中で、固体物質が集積して形成されたのではないか、と考えられてきました(まるで太陽系の惑星形成のミニチュア版です)。
 周惑星円盤の中で衛星が形成される過程は、理論モデルや数値シミュレーションを中心に調べられており、ガリレオ衛星の特徴を説明可能な形成シナリオがいくつか提案されています(例えば Shibaike et al, 2019)。
 一方で、衛星を作る材料となる固体物質の、周惑星円盤への供給過程は実はよくわかっていません。私たちの研究グループでは、数値シミュレーションを用いて、周惑星円盤に衛星材料が供給される過程を調べています。