ロボットは人間の身近な存在として近年定着しつつある.家電製品や自動車などにはコンピュータはもちろん各種センサを備えており,ロボット化の一途を歩んでいると考えられる.ロボットにおいて重要な要素技術として,ハードウェア技術・制御技術・センサ技術などが挙げられる.本研究室では,ロボットを知能化する上で,特にロボットの知覚メカニズムに焦点を置き,センサ情報処理技術や知覚に基づくロボティクスに関する研究を行っている.
人間の手は,物や道具を器用に操作するアクチュエータとしての機能とともに,物に触れてその性質を理解するセンシングデバイスとしての機能を併せ持つ優れた器官である.本研究室では,人間の手を模倣するハンド/アームロボットを開発し,ハンド/アームロボットによる物体の巧みな操作を目指し,センサに基づく制御手法を開発している.
遠隔地や危険環境下では,ロボットの遠隔操作による作業が実施されている.このような遠隔作業において,人間の手を模倣するハンド/アームロボットを使用することにより,人間との親和性を高めることができる.本研究室では,ハンド/アームロボットの遠隔操作の操作性向上を目指し,研究を行なっている.
ロボットを遠隔操作する上で,遠隔地の環境を正しく認識することは,円滑な遠隔操作を可能にし,効率を向上させる.本研究室では,VR/AR技術に焦点を当て,遠隔地環境を操作者へ提示するシステムの開発を行っている.
近年,ロボット関連技術は介護・福祉ロボットにも応用されるようになってきており,ロボットが人と同じ空間で協調して作業を行う能力が求められている.人間との共存空間において,ロボットは人間と接触して人/ロボットに損害を与えてしまわないよう,人の動作を計測し,予測する必要がある.本研究室では,高精度な人の動作計測や,動作予測についての手法について研究を行っている.