コラム

私にとってイノベーションとは「破壊」であった

2020年3月29日(日)

このコラムは、イノベーションリーダー育成プログラムにおいて講師として発表させていただいた内容と同じタイトルです。「イノベーション」という言葉はなんとなく響きが良く、様々な立場の人が様々なシーンで利用するのを見かけます。

よく使われる言葉は、時間と共に変異して本来の意味が失われることも多々あると思いますが、ググって見るとシュンペーターが20世紀初頭に経済用語として初めて定義したと言われています。「関係なさそうな事柄を、それまでとは異なるやり方で新しく結びつけること」だそうです。

また、イノベーションのモデルのひとつで、新しい技術などによって既存事業の慣習を破壊し、業界構造を劇的に変化させる新しいイノベーションのことを「破壊的イノベーション」ともいうそうです。

私がイノベーションリーダー育成プログラムの講師としてテーマにしたのはまさにこの破壊的イノベーションでした。

私の場合、小さな成功で安穏としていた自分自身を破壊することから始めました。誰もが社会人になり様々な経験を経たのちに自分なりの勝利の方程式を構築しますが、これに満足した時点で実は下り坂に入っていることもあるのではないでしょうか?少なくとも私自身はそうでした。しかし、ふとしたことからあるセキュリティに関するアイデアを思いつき2009年に起業し、紆余曲折を経て「DZ Security」という製品を2018年11月にリリースしました。

この製品のおかげで2019年の夏にはイギリスのケンブリッジにあるARM社(IoTソリューションにおいて世界最大級の企業。ソフトバンクグループが買収)にお招きをいただき「e machine learning(機械学習)」のセッションに登壇することもできました。他にもインド、中国でも講演の機会をいただくことができました。この技術は日本・アメリカ・中国の国際特許も取得しております。もし、小さな成功に満足しそこで固まってしまっていたら経験できないことであったと思います。

時間の流れは誰も止めることができません。変化していく時間の中で、自分なりの勝利の方程式だけが変わることなく価値を持ち続けることはないでしょう。すべての国・企業・人が時間の流れの中で適切なイノベーションを起こし、これを受け入れながら新しい経験とこれによって得られる幸福感を享受できるよう祈念します。

関連サイト: ARM社
https://www.arm.com

関連サイト: DZ Security
https://dz.anchorz.co.jp