ISSUE
課題の設定

イノベーションリーダーが最初に行うのが課題設定です。例えば、「電子カルテが広く活用されていない」という課題があれば、それの解決策が新規事業(イノベーション)になります。ただ、課題をよく考えずに解決策だけを求めても「どこかで聞いたことがある」結果にしかなりません。また、ユニークな課題を考えても、単なる自己満足では組織内で評価されません。両者のバランスを考え、環境変化へ柔軟に対応することが必要です。

ICEモデルにおけるISSUEの位置付け

イノベーションは、当初「そんなことやろうとしても無理だよ」と周囲が反対する課題に取り組むことから始まります。したがって、イノベーションリーダーは「個人の思い」を課題として具現化しなければなりません。誰かに押し付けられた課題では長続きしないし、個人の思いがなければ、「この課題は誰よりも自分がよく理解している」という状況にならないからです。ただ、自社理念や事業課題などとリンクした課題でなければ、自己満足と思われるのが落ちです。

課題を研ぎ澄ませるプロセス

イノベーションリーダーは個人的関心を基に、①適切な課題を発見し、②発見した課題を深く理解しなければなりません。また、課題を深く理解する過程で、当初設定した課題を何度も修正しなければなりません。さらに、課題の修正は机上だけでなく、製品やサービスの開発や技術評価と一対で行わなければなりません。

課題の深い理解

設定した課題を深く理解するには、「知るべき」内容を掘り下げることが重要です。そのためには、ひとりで沈思黙考するのでなく、社内外でアドバイザーやパートナーを探さなければなりません。彼らはオフィシャルに任命されるのでなく、イノベーションリーダーの個人的なネットワークで集められることが多い。また、課題の理解は常に技術、顧客、競合、市場とリンクしなければなりません。