(参考)米国の研究
「シリアルイノベーター」

米国企業と日本企業は本質的に異なります。米国は経営者のトップダウンで現場が動き、面従腹背をすると解雇事由になります。少々の面従腹背ではクビにならない日本企業と異なり、米国では「業務命令イコール契約」という考え方が徹底されています。この観点では、米国企業は日本企業より経営者の考えがトップダウンに浸透しやすく、ミドルポジションで組織を動かすイノベーションリーダーのような人材はそれほど重要でありません。

シリアルイノベーター:MP5モデル

出典:Griffin et al.(2009) et al. “Voices from the Fields” Journal of Product Innovation Management 26(2)

経営者のトップダウンが機能しやすい米国においても、組織をミドルポジションで動かす人材を対象にした例外的な研究が存在します。それが「シリアルイノベーター」研究で、「MP5モデル」が提唱されています。Process, Politics(社内政治), Personality, Perspective, Preparation(構え)をMotivationでつなぐことがMP5モデルの全体像です。イノベーションリーダーの理論構築における先行研究として紹介します。この研究は主に米国企業が対象なので、日本企業の組織特性が十分に反映されているとは言い難いです。