研究内容


食欲調節に関する研究
 食べたら太りますよね。ヒトも動物も。でも、食べなかったら病気になりますよね。だから、太りもせず、痩せもしない、ちょうど良い具合に食欲をコントロールする方法を探しています。調べる場所は脳と消化管です。
 最近の研究成果は以下の通りです。
◆鶏肉生産用に品種改良された食欲旺盛なニワトリ(ブロイラー)おいては、α-メラニン細胞刺激ホルモンが食欲抑制神経ペプチドとして重要な役割を果たすが、β-メラニン細胞刺激ホルモンは食欲調節に関与しない可能性を示しました。また、鶏卵生産用に改良されたニワトリ(レイヤー)においては、成長に伴いα-メラニン細胞刺激ホルモンの遺伝子発現量が増加するのに対し、ブロイラーにおいては、逆に減少することを見出しました。一方、視床下部食欲促進ペプチドであるニューロペプチドYの役割に関しては、ブロイラーとレイヤーの間で差がないことを示唆しました。
◆新グルカゴン様ペプチド、オキシントモジュリン、グルカゴン様ぺプチド(GLP)-2の中枢投与は摂食を抑制することを見出しました。特に、GLP-2の摂食抑制作用は、強力な摂食抑制ペプチドとして知られるGLP-1に匹敵するものであることを見出しました。

脂質代謝調節に関する研究
 脂肪減らしたいですよね。ヒトは。だから、マウスやラットを使って、動物の内臓脂肪を減らす方法を探しています。でも、家畜や家禽はちょっと複雑。食べ物にならない内臓脂肪は減らしたいけど、筋肉組織の内側に含まれる脂肪が増えれば、お肉は美味しくなります。そんな矛盾した課題にも取り組んでいます。調べる場所は、肝臓と脂肪組織と骨格筋です。
 最近の研究成果は以下の通りです。
◆ニワトリの肝臓及び脂肪組織においては、短時間の絶食或いは再給餌により、脂質代謝関連遺伝子の発現が変動することを明らかにし、その分子機構が哺乳動物のそれとは異なることを示唆しました。また、ニワトリ肝臓においては、脂肪酸酸化関連酵素の遺伝子発現に先立ち、PPARαの遺伝子発現が促進すること、及び、PPARαの標的遺伝子は、ヒトとニワトリで異なることを示唆しました。
◆産卵鶏へのコエンザイムQ10給与によって、鶏卵のコエンザイムQ10含量を増加させることができることを見出しました。
◆大豆胚芽タンパク質がニワトリの内臓脂肪組織重量を減少させることを見出し、その機構の一つとして、肝臓脂肪酸合成の抑制に基づく血中VLDL-TGの減少を示唆しました。

タンパク質代謝調節に関する研究
 筋肉増やしたいですよね。ヒトも動物も。だから、筋肉を効率的に増やす方法を考えています。調べる場所は、骨格筋です。
 最近の研究成果は以下の通りです。
◆β-1,4-マンオビオース、及び二ギ酸カリウムの給与がニワトリの筋肉重量を増加させることを見出しました。
◆大豆胚芽タンパク質給与がニワトリの筋肉重量を増加させることを見出し、その機構の一つとして、筋肉タンパク質合成の促進を示唆しました。
◆酵素処理ヤシ粕給与がニワトリの体重並びに筋肉重量を増加させることを見出し、その機構として、筋肉タンパク質分解の抑制を示唆しました。

機能性素材の開発に関する研究
 食品や飼料の成分には生体調節機能を持つものがあり、それをうまく活用することによって、ヒトの健康やお肉や卵の品質や生産性を向上させることができます。調べる場所は、脂肪組織、血液、骨格筋です。
 最近の研究成果は以下の通りです。
◆甘草フラボノイドオイル給与が高脂肪食肥満ラットの内臓脂肪組織重量を減少させることを見出し、その機構として、肝臓における脂肪酸合成の抑制と脂肪酸酸化の促進を示唆しました。また、血中コレステロール濃度を低下させることも見出し、その機構として、肝臓におけるコレステロール合成の抑制を示唆しました。
◆コエンザイムQ10が、肝臓において、コレステロール合成酵素の活性を抑制することを示唆しました。