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地熱バイナリ発電用蒸発器の高性能化に関する研究 −水平管群内沸騰熱伝達−

目的

 水平管群による沸騰では,上流の伝熱管での沸騰で生成された気泡が管群内を流動する際に液を攪拌するため,管群の下流部では伝熱が促進される.沸騰伝熱促進によって小さな気泡が一様に形成されれば,その効果は強くなると期待できる.
 そこで,本研究では,平滑管群の気泡撹拌効果増大を目的とし,管群上流に部分的に溶射被膜を有する沸騰伝熱促進管を配置し,熱伝達率に及ぼす影響を実験的に評価するとともに,管群内の気泡流動と熱伝達特性の相関について考察している.


 

研究内容

 

 作動流体にはHFC-245faを用い,3列8段の管群による沸騰実験を行っている.千鳥配列平滑管群沸騰実験における,各段の管の熱伝達率のグラフ,および沸騰の様子の動画を示す.図中,破線は水平単管周りのプール沸騰熱伝達率に関するCooperによる相関式である.これより,管群上部ほど熱伝達が促進され,その増大効果は低熱流束ほど大きくなることが分かる.一方,管群の一番下の段を溶射伝熱管に変更した場合,溶射管に近い,下から2,3段目の管で気泡攪拌による伝熱促進効果が増大することが分かった.


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