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ヒートポンプ給湯機用四葉伝熱管内凝縮熱伝達に関する研究

目的

 省エネルギー化の観点から,給湯分野へのヒートポンプシステムの適用が広がっている.家庭用ヒートポンプ給湯システムでは,水を低温から高温まで昇温する必要があるため水加熱器として二重管式熱交換器が広く用いられている. 冷媒に高臨界点冷媒を用いる場合,水加熱器は凝縮流となるが,凝縮熱伝達では冷媒側伝熱面での凝縮液膜が熱抵抗となり,熱伝達率が低下する問題がある.
 本研究では,実機ヒートポンプ給湯機でも使用されている四葉伝熱管を対象とし,水平管内凝縮実験を行い熱伝達率および圧力損失を評価し,流路断面形状の影響を明らかにすることを目的とする.

 

研究内容

 

 四葉管は図に示すように冷媒流路は5つの流路に分離独立している.平均水力等価は1.44 mmである. 葉部の流路は三角形のような形状で水流路と接する面積が大きいことから熱交換への寄与が大きいと考えられる. これまでの研究から,比較的低い質量流束,中くらいの乾き度の条件で,湿り度の上昇に伴う熱伝達率の低下が抑えられる結果を得た. これは角部に液が表面張力で集まり,辺部で液膜が薄くなったためと考えられる.そこで,現在,葉部流路を模擬した三角形流路を製作し,水平短尺単管での凝縮実験を行い,熱流動特性へ及ぼす流路形状の影響について研究している. 三角管の重力に対する配置を変更するとともに,三角管上端部,下端部の局所壁温を熱電対で計測する.さらに,熱交換区間下流の観察部で静電容量センサによるボイド率計測および流動観察を行い,凝縮時の液膜構造と熱伝達特性の相関を評価する.


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