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非ニュートンスラリー流の熱流動特性に関する研究

目的

 工場からの排熱などを地域で共有することは一次エネルギー消費量の削減に有効であるが,温度低下なく高エネルギー密度での熱輸送が必要である.相変化物質(PCM : Phase change material)を硬殻カプセルに封入し,流体中に分散させたPCMスラリーが提案されている. PCMスラリーを用いた熱輸送の実現には,加熱時,放熱時での熱交換特性の解明が求められる.
 本研究の目的は,硬殻カプセルを混入したスラリーの熱流動特性を解明することである.硬殻カプセルを分散させるため界面活性剤を添加しており,非ニュートン性を示す.実験では,円管内非ニュートンスラリー流について,加熱時の伝熱特性,圧力損失特性を実験的に評価する.

 

研究内容

 

 本研究で用いるPCMスラリーはPCMを充填した硬殻マイクロカプセルとそれを分散させた界面活性剤水溶液からなる.PCMには酢酸ナトリウム三水和物,硬殻カプセルにはシリカ,界面活性剤にはエソカードを用いる. 流体は界面活性剤によって非ニュートン性を示し,硬殻マイクロカプセルによってスラリーとなる.
 熱伝達率と圧力損失は内径5 mmの水平銅円管を使用して測定する.流体は銅管外壁に巻き付けたシリコンコードヒーターによって加熱長さ805 mmで加熱される.また,壁温は外面に7点はんだ付けされた熱電対によって測定する.流体に界面活性剤水溶液, 界面活性剤添加スラリー,界面活性剤添加PCMスラリーを用いてそれぞれの熱伝達特性と流動特性を比較,考察することで流体中の硬殻マイクロカプセルの分散及び,非ニュートン性が与える影響を評価する.


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