神戸・芦屋の境目にあたる,神戸市東灘区深江南町付近での阪神高速神戸線の状況です.通常,高速道路のスラブの下には桁があります.この部分は鋼I桁が使われています.また,この部分では阪神高速の高架の下を国道43号線が走っており,国道を走っている車からの放射音が高架道路の裏面で反射される,高架裏面反射の問題が顕著に現れます.そのため,スラブから下の部分を,写真のようにすっぽりと覆ってしまうカバーによって遮蔽され,カバーの下面は吸音構造(以下の写真参照)になっています.このような装置は,高架裏面吸音板と呼ばれ,この写真のように高架道路の下に道路がある場合や,2階建て(ダブルデッキ)の高架道路で用いられます.
なお,高架の上部にはかなり高い防音塀が設けられています.この防音塀は,上部で内側へ傾いていますが,これは音源に対する回折角を大きくし,経路差をかせいで回折減衰の効果を向上させる目的のものです.
同じ部分で,歩道橋の上から底面を見たところです.
底面をさらに近づいて見たところです.発泡軽金属の多孔質吸音材を使った,吸音構造になっています.なお,このように高架裏面吸音板でスラブ下部を覆ってしまうことで,桁からの放射音(高架構造物音)の対策にも効果があるとされていますが,詳しいデータは発表されていません.