居住空間における過乾燥を防ぐ温熱環境調整法に関する研究
外気の影響で特に冬季には室内が低湿度になりがちです。加湿が一つの解決策ではありますが、やみくもな加湿は、エネルギー消費量を増加させ、結露の発生を促すため、注意が必要です。乾燥による不快を感じないような環境を合理的に作るためには、室内の温度・湿度・風速などをどのように制御するべきかを量的に明らかにすることが急務と考えられます。この観点から、温度や湿度に応じた人の乾燥感の強度、乾燥感の強度と皮膚・粘膜の含水状態の関係を研究しています。
また、皮膚・粘膜の含水状態を予測する解析モデルを開発し、温度や湿度などの環境物理条件から乾燥感の強度を予測する体系をつくることを目指しています。建築多孔質材料における熱水分同時移動方程式や人体の体温調節モデルを基礎としたモデル化です。
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![]() 気道内の温湿度分布を計算する解析モデル |
![]() 皮膚角質層内の含水率分布 (計算結果の一例) |
![]() 眼球からの水分蒸発量 (実験結果と計算結果の比較例) |

![]() 皮膚含水率の測定 |
![]() 鼻から呼出される空気温度の測定 |

(注)眼に触れないで測定します。眼に害はありません。

本研究はJSPS科研費JP25289195の助成を受けたものです。