研究概要です。

タンパク質デザイン研究を中心とした新規タンパク質の創出及び天然タンパク質の構造物性の研究を行っています。充実した研究設備のもと、ポストゲノム時代の最大のターゲットである、タンパク質研究を推進しています。
 21世紀を迎え、ヒトを始めとする多くの生物の遺伝子(ゲノム)が解読されるに至りました。遺伝子はアミノ酸配列を指定し、生成したタンパク質のヒモは立体構造を形成して機能を果たします。とは、このような自然界の「アミノ酸配列→立体構造→機能」の流れを逆にたどり、人工的に望みの機能をもつタンパク質の構造とそのアミノ酸配列を編み出すものです。
 手法としては合理デザイン、経験的デザイン、及び生物的デザインの3つを用いています。例えば合理的デザインに関しては、理論計算の研究室との共同研究で、タンパク質の基本骨格であるαヘリックス構造のデザインに成功しました。経験的デザイン法では、レアメタルに選択的に結合するペプチドを創りだしました。生物的デザインについては科技団のプロジェクト(さきがけ21)で行い、プロテインメモリ−現象の利用を始めとして進化工学、新規固定化法などを組み合わせ、低温でも高機能な酵素をデザインし、高効率無添加物の反応を促進することができました。
 さらに、より大きいマクロな形態制御を目指して、タンパク質およびペプチドからなるナノメートルスケールの構造体(ナノファイバー、ナノチューブ、ナノケージなど)の形態デザインを行っています。例えば、ペプチドナノファイバーに金属を結合させることで導電性を持たせること(米国および日本特許)、ペプチドナノチューブに選択的に化合物を結合させることなど、多様な機能をもたらすことができます。
 デザイン研究ではタンパク質(ペプチド)を用いて望みの構造機能を自由自在に設計することを目指しています。以下のようにまとめてみます。



  主な研究テーマ
生物的デザイン
 進化工学の手法を用いた高機能タンパク質のデザイン研究
合理的及び経験的デザイン
 理論化学や経験的手法を用いた新規タンパク質構造および機能のデザイン研究
ペプチドによるナノ構造体のデザイン
 ペプチド分子を集合させナノファイバー、ナノチューブ、ナノケージ等の形態を創製し機能化する
天然タンパク質の構造物性
 核磁気共鳴(NMR)法による構造決定、熱測定による安定化機構など物理化学的解析

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