Kobe University, Graduate School of Science and Technology
田村研究室


当研究室志望の受験生(大学、編入学、大学院)や
中高生のみなさんへの研究紹介
神戸大学理学研究科化学専攻生命分子化学講座   田村 厚夫

 研究室のテーマは
「新しい機能をもったタンパク質の設計(Protein Design)」です。

 皆さんは科学者になったらどんな夢を実現したいでしょうか?

 例えば、大きな病気を治したいと思う人も多いでしょう。高齢化社会である日本には、ガンなどやアルツハイマー病など治療の難しい病気が多くあります。あるいは、最先端のハイテク産業を興したいという人もいるかと思います。しかしながら、日本には鉱山が乏しく、ハイテク産業に必要な白金、金、パラジウムなど貴重なレアメタルのほとんどは輸入に頼っています。ところが、人々が廃棄する携帯電話や電気自動車などのハイテク機器廃棄物からリサイクルすれば必要量を確保することができます。

 これらの夢の実現を、新しい機能を持ったタンパク質を人工的に設計することで達成するのが私達の研究室の目標です。自然界では存在しない新しい機能を持ったタンパク質、例えば「ガン細胞を標的として薬を運んだり(図1)、病気を治す力を持ったタンパク質」や「金などのレアメタルを回収するタンパク質」を設計し創出する研究を行っています。

 「えっ、そんなことできるの?」と思われる方も多いかと思います。例えば、金に結合するタンパク質は自然界に存在していませんから、そう思うのも当然です。でも、一般に不可能であることを証明するのは困難ですが、可能であることを示すには、実際に作ってしまえば良いのです。

 そこで、タンパク質はなぜ機能を発揮するのか、分子レベルの根本にさかのぼって考えました。タンパク質は20種類のアミノ酸が多数結合した分子であり、特定の1つの立体構造を形成し機能するのです(図2)。具体的には、写真で私が手に持っているのが基本構造単位であるαへリックス構造、机上にあるのがβシート構造で、この2つの組合わせで立体構造ができます。ここで、逆転の発想をします。つまり、ある機能を発揮するには、どのような構造が必要なのか、その構造を形成するのはどのようなアミノ酸配列にすれば良いか、を考えます。新たな配列で望みの立体構造となるよう設計し、その構造が新機能を担うようにするのです(図2)

 このようにして新機能を実現したタンパク質は、もちろん世界で唯一つの新しいタンパク質であり、その新規性と機能性によって日本だけでなく海外の国際特許も取得しています(図3)
タンパク質で夢がかなう?!私達はそう信じて望みの新機能を持ったタンパク質を日々作り続けています。


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