教授挨拶Greetings

島 扶美(Fumi Shima, MD, Ph.D)

私ども創薬科学研究室では、がん化と密接に関係するRas/MAPKシグナル伝達系をターゲットとした分子標的がん治療薬の開発研究を行っております。
Rasをはじめとするがん遺伝子産物は、がん細胞・組織の生存、維持自体に極めて重要な役割を果たしていることが知られており、これらの分子の機能を阻害する物質は有効な抗がん剤となる可能性があります。
本研究室では、生化学、分子生物学的手法とともに、構造生物学的手法(医学研究科ならびに公益財団法人・高輝度光科学研究センターとの共同研究)、コンピュータシミュレーション(独立行政法人理化学研究所との共同研究)を駆使して、新たな抗がん剤開発のための候補物質の探索を行うとともに、その作用メカニズムの原子レベルでの解明を通じて、新たなカテゴリーに属する医薬品候補の創出を目指しております。
基礎医学からその応用まで幅広い知識を貪欲に吸収し、その活用による医薬領域でのモノづくりに興味をお持ちの研究者・学生さん、私どもの研究にご興味をお持ち頂ける企業様は、是非ともご連絡・お声がけください。

島 扶美(Fumi Shima, MD, Ph.D)

主な研究テーマ:島・𠮷川・槇野

  1. がん遺伝子産物Rasの酵素触媒反応の分子動画撮影と創薬への応用
  2. Ras/MAPKシグナル伝達をターゲットとした新規分子標的がん治療薬の開発研究及び光制御型がん遺伝子産物の分子設計
  3. インテグリン/Rac活性化機構を標的としたがん転移治療法に関するMSKとの共同研究(MSK_新規インテグリン特異的中和抗体作成;KU_新規インテグリンに対する特異的中和抗体の作用メカニズムの構造科学的解析)
  4. Ras活性化型軟部組織腫瘍の同定とRasシグナル伝達阻害剤の腫瘍効果の判定のMSKとの共同研究(KU_ Ras活性化型軟部組織腫瘍に対する開発化合物の薬効評価; MSK_患者腫瘍由来の細胞株の遺伝的解析によるRas遺伝子経路の活性化腫瘍細胞の同定)

注)MSK:メモリアルスローンケタリング・がんセンター KU:神戸大学

所属学会

1991年
日本内科学会
1993年
日本内分泌学会
1993年
日本糖尿病学会
1995年
日本生化学会
1995年
日本癌学会
1995年
日本分子生物学会

略歴 / 受賞歴

略歴

1991-1993年
神戸大学医学部医学科 卒業
神戸大学附属病院/成人病センター 内科・消化器内科研修
1994-1997年
神戸大学大学院・医学系研究科 修了 博士・医学
1998-2000年
日本学術振興会特別研究員
2001-2005年
神戸大学大学院・医学系研究科, 助手
2005-2006年
神戸大学大学院・医学系研究科, 助手
2007年
神戸大学大学院・医学系研究科, 助教
2008-2009年
神戸大学大学院・医学系研究科, 助教
2010年
神戸大学大学院・医学研究科, 講師
2011年
神戸大学大学院・医学研究科, 准教授
2011-2013年
神戸大学大学院・ 医学(系)研究科(研究院), 准教授
2014-2016年
神戸大学大学院・医学(系)研究科(研究院), 教授
2016年-
神戸大学大学院・科学技術イノベーション研究科, 教授

受賞歴

1998年
Faculty Award for Excellent research, Kobe University Graduate School of Medicine, JAPAN
2011年
Chikako Tanaka Academic Award, Kobe University Graduate School of Medicine, JAPAN
2013年
Faculty Award for Excellent research, Kobe University Graduate School of Medicine, JAPAN