私たちが生きる現代社会では、新型コロナウイルス感染症の蔓延や虐待、生活習慣病など多くの健康問題が発生しています。保健師は、これらの問題を解決するとともに、問題の原因や背景を見極め、地域社会全体に支援を行うための知識や技術を持つ公衆衛生の専門家です。

私たちの研究室は、地域社会全体の健康の増進や保健師による支援について幅広いテーマで研究を行い、その成果を社会に還元したいと考えております。公衆衛生の分野では、住民による地域活動の強化が必要とされており、保健師による支援も重要になっています。私たちの研究室では、住民による地域活動の強化を促すための保健師による支援等の研究について取り組んでおります。

また、日本で1年間に新たに発生するがん患者は、年間約86万人であり、そのうち18歳未満の子どもをもつがん患者の数は約5万6千人と推計されています。海外では、がん罹患後の生存期間の延長に伴い、がんサバイバーという捉え方がされています。当研究室では、子育て世代のがんサバイバーである母親を支援するための研究に取り組んでおります。

私たちは、地域で暮らす住民や日々の実践から、公衆衛生看護学の知を創り出す研究に関心をもつメンバーを幅広く募集しています。当研究室に参画されることを心から願っています。

中山貴美子