イノベーションを駆動させるエンジン
イノベーションは、「課題設定」⇒「事業アイデア着想」⇒「ビジネスプラン構築」⇒「解決策の提示」⇒「解決策の効果計測」⇒「学習」⇒「仮設構築」⇒「課題修正」⇒というサイクルによって動きます。「リーンスタートアップ」はこのサイクルを短時間で繰り返して、早く低コストで成果を目指す手法です。図にすれば簡単ですが、このサイクルを動かすエンジンが必要です。
イノベーションリーダーに必要とされるエンジン
このイノベーションのプロセス(サイクル)図は広く知られています。サイクルをアジャイルに回す「リーンスタートアップ」はトヨタ自動車の現場管理にヒントを得たと言われています。これは、順番どおりに進む予定調和的なものとは限りません。ひとりのイノベーターの着想で生まれた成果を後付で説明するために、サイクル図が使われることも少なくありません。サイクルの順番が逆になることもあります。状況に合わせて柔軟にプロセスを動かすのがイノベーションリーダーです。
ICEモデル
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ISSUE課題修正を繰り返す
- ・課題と自社ビジョンとの整合性を確保する
- ・「他人事」でなく「自分事」で課題設定する
- ・環境変化に合わせて課題を柔軟に修正する
- ・お手軽な問題解決に走らない
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CONSISTENCYアイデアと人の一貫性 を保つ
- ・解決策の論理的整合性をチェックする
- ・論理や現象の裏にある事実を「読む」
- ・会社などの「枠を越えて」行動する
- ・経営層と現場を論理によってつなぐ
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EMPATHY共感を獲得する
- ・人の心を動かすコミュニケーションを行う
- ・聞く人に新鮮な「気づき」を与える
- ・「感動的」なストーリーを作る
- ・論理と感性をつなぐ
我々は数百人の経営者、イノベーションリーダー、開発責任者、研究者、起業家、組織専門家にインタビューを行い、イノベーションリーダーには、ISSUE(課題修正を繰り返す)、CONSISTENCY(アイデアと人の一貫性を保つ)、EMAPTHY(共感を獲得する)という三種類の能力・行動が必要という仮説を構築しました。この「ICEモデル」によって人材育成、理論構築を行っています。
ICEモデルの全体像
イノベーションリーダーがISSUE、CONSISTENCY、EMPATHYという三種類の能力を発揮して解決策(イノベーション)に到達する道筋を記載しています。